2017/12/04
大学入学共通テストをめぐっては、大量の記述式問題の答案を公平に採点できるかどうかが課題となっている。これを報じた産経新聞(12/4)によれば、試行調査では約1千人が採点者となり、データ化された生徒一人一人の答案を複数人がチェックする。結果は来年3月までに公表される予定だ。大学入試センターによると、生徒の答案は都内のセンターに集められ、特殊な機械によってデータ化されて委託先の通信教育大手「ベネッセコーポレーション」に送られる仕組みになっている。同社は、民間の模擬試験などで経験がある人のうち、内部選考にパスした採点者約1千人を確保。モデル問題を使い研修も実施する。
今後始まる実際の採点業務では、2人の採点者が、あらかじめ設定された正答条件を基に別々に採点。2人の評価が一致すれば採点結果として登録され、点検を経て確定する。評価が異なった場合は、さらに別の人が確認し、最初の2人のどちらかと一致すれば評価が決まる。評価が極めて難しい場合は、同社の社員らが数人で協議し、場合によってはセンターに意見を求める。一部の採点結果を抽出して正確な採点がなされているかを調べる「検収」もあり、センターの職員や高校の校長経験者らが実施する。記述式はマークシート式に比べ採点に時間がかかるため、センターは2020年度に始まる共通テストでは、採点期間をセンター試験より1週間程度長く確保する考え。記述式で部分点をどの程度認めるかも今後検討する。