2019/02/26
金沢工業大建築学部建築学科・増田達男教授の研究室では、失われつつある石川県・金沢特有の歴史的なまちなみを回復させるために、2018年7月から「まちなみ形成住宅(仮称)」創出についての調査研究に取り組んでいる。これは金沢市の委託事業として実施しているもので、同大の2月18日付ホームページによると、2018年度中に同事業の基本方針を策定する予定だ。
金沢には歴史的な「金澤町家」が約6000棟残存しているが、毎年100棟以上の町家が取り壊されたり、正面外観が大幅に改装されたりしているのが現状。金沢特有の歴史的まちなみの衰退が危惧されている。
同事業では、金沢に息づく「金澤町家文化」とは何かを考え、生活文化や内外部の空間構成、建築技術、環境面等から調査研究を通じて多角的に分析。金澤町家文化を現代に活かした「まちなみ形成住宅(仮称)」のあり方や基本方針、内外部空間の仕様などを検討している。これによって創出された「まちなみ形成住宅(仮称)」は、まちなみの欠損した場所に、金澤町家文化の特長を伝承する新築住宅を建設する方法で、衰退が危惧される金沢らしい歴史的なまちなみの回復と金澤町家文化の継承を目指している。
同大・増田教授研究室では、2018年度中に策定した基本方針は今後、「まちなみ形成住宅(仮称)」創出における「プロトタイプの設計」や「モデル事業」に反映していくとしている。
(大学HP:https://www.kanazawa-it.ac.jp/kitnews/2019/0218_kanazawa_machinami.html)