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厚生労働省調査:医学部の地域枠の半数で定員割れを、医師偏在対策に課題

2018/11/29

 地域枠は、地域の医師確保を目的に、都道府県が大学医学部の学生に奨学金を貸与する制度。この大学医学部の地域枠について、厚労省は11月28日、募集枠のある66大学の半数の33大学で定員が満たされていなかったことを明らかにした。同省が公表した「平成30年度 臨時定員関係の都道府県別地域枠プログラム一覧」によれば、地域枠履行状況は、東北大が定員33人に対し実績17人で充足率52%、千葉大が定員20人に対し実績4人で充足率20%、東京医科大が定員8人に対し実績5人で充足率63%など、22大学の医学部地域枠で2018年度に充足率が8割未満だった。地域枠履行状況等調査は、厚労省が47都道府県に対し、2008年度以降に設置された地域枠等についてのアンケートを実施した。

詳細:https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000412740.pdf

 地域枠には、一般枠とは別枠で募集定員を設ける「別枠方式」と、一般枠と共通で選抜し、その前後で地域枠の学生を募集する「手挙げ方式」の2種類がある。2018年度は地域枠の募集定員計1014人の2割近くが埋まっていなかった反面、医学部の定員割れが起きていないことから、それらを一般枠に用いたケースが多いとみられている。厚労省は、こうした運用面の問題を重視しており、2020年度からは「手挙げ方式」を実施しない方針。

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