2016/11/05
財務省は11月4日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、全国の公立小中学校の教職員定数を今後10年間で約5万人削減する案を示した。少子化に対応して現在の定数から約7%減らし、教職員人件費の国庫負担を抑えることを目指す。ただ文科省は一定数を確保したい考えで、反発も予想される。2016年度の教職員定数は約69万人。このうち生徒数に応じた「基礎定数」は約62万7000人、政策的に上乗せする「加配定数」は約6万4000人で、国の人件費負担は1.5兆円に上る。財務省は少子化で基礎定数が2026年度までに約4万4000人減ると試算。加配定数は今の教育環境を維持したとしても約5000人減らせると主張した。加えて、自治体などと連携し外部人材を活用することも提案した。
これに対して文科省は、2026年度までに基礎定数と加配定数を合わせた全体で約1万6000人の減少にとどめる方針を掲げる。いじめ対応など教育現場の課題が複雑になり、一定数の教職員が必要だとの考えからだ。財務省は少子化に応じた定数の適正化を求める構えだが、調整は難航する可能性があり、2017年度予算案の編成の焦点となりそうだ。