2016/10/03
スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月3日、2016年のノーベル医学生理学賞を東京工業大栄誉教授の大隅良典氏(71)に授与すると発表した。これを報じた毎日新聞(10/3)によれば、大隅氏は生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる現象を分子レベルで解明。この働きに不可欠な遺伝子を酵母で特定し、生命活動を支える最も基本的な仕組みを明らかにした。近年、オートファジーがヒトのがんや老化の抑制にも関係していることが判明しており、疾患の原因解明や治療などの医学的な研究につなげた功績が高く評価された。
日本のノーベル賞受賞は、2014年に物理学賞を受賞した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏と2015年の大村智氏(医学生理学賞)と梶田隆章氏(物理学賞)に続き3年連続の快挙となった。受賞者数は、米国籍の故・南部陽一郎氏(2008年物理学賞)と中村修二氏(2014年同)を含め計25人(医学生理学賞4、物理学賞11、化学賞7、文学賞2、平和賞1)となる。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。